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国立大学へ行って

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理科(地学)

時間:1科目選択の場合は90分です。2教科選択の場合は合わせて3時間ですので、取れそうな科目の解けそうな問題に時間をかけて丁寧に取り組むよう、時間の配分に注意しましょう。

 

得点配分

物理、化学、生物、地学の各科目100点満点で、学部ごとに以下の様な比率に換算。

[総合人間(理)] 物化生地から2科目200点。(共通:100点、二次:700点)

[教育(理)]   物化生地から1科目100点。(共通:250点、二次:650点)

[理]       物化生地から2科目300点。(共通:225点、二次:975点)

[医(医学)]   選択不可

[医(健康)]   選択不可

[薬]       選択不可

[工]       選択不可

[農]       物化生地から2科目200点。(共通:350点、二次:700点)

 

設問形式

・大問数は4問で、その内の1問か2問は、更に独立した2つの中問に分かれているようです。

・各大問や中問は、問題文穴埋め式の問題や、記述(計算、用語など)や選択式、論述問題などに分かれています。特に論述問題や計算問題は多く出題されています。

 

傾向

・大問Ⅰは宇宙、大問Ⅱは気象・大気や海洋など、大問Ⅲは地震やプレート運動などの固体地球、大問Ⅳは地質・地層などに関する出題が多いようです。

・問題は、基本的事項の理解度をみるために、分野的な偏りが無いよう広いテーマから出題されています。

・問題数は多く、計算問題や論述問題の比重も大きいので、時間は十分ではありません。

 

 

方法

・とにかく論述問題の対策を。

(例年、大小合わせて十数題の論述問題が出題されています。出題の切り口も、事象の要因、特徴、現象間の関係、推論の理由や根拠など様々です。指定された数個の用語を用いなければならないものも有ります。どの分野についても、論述問題が多く出題されており、かなり深い理解と広い分野の知識が要求されます。実際に過去問などで、自分で文章を作る練習をしておくことが大切ですが、加えて、教科書に出てくる重要そうな用語については自分で用語集を作って簡潔な説明を記載し、主な現象の説明にはその発生原因や相互の関係などを簡潔にまとめておくなどすることも論述の良いトレーニングになると思われます。)

 

・計算問題もしっかりトレーニング。

(大問Ⅰの天文関係では、絶対等級や見かけの等級の計算方法、銀河の距離とスペクトルの関係、パーセク等の定義や視差と距離の関係、公転周期や質量光度関係などケプラーの法則に関わるものなどに関する計算が比較的多く出題されています。大問Ⅱ、大問Ⅲでは、断熱膨張、地震のエネルギー、地震波の伝搬、津波の速度、シュテファン・ボルツマンの法則、半減期の計算など、広い範囲から出題されています。過去問などを自分で解いてよく練習しておくことが必要です。加えて、関連する物理や初等幾何の知識や考え方を学習しておくことも大切で、また、これらの知識が有れば、初見の問題が出ても、問題中の文言やディメンジョンなどから解の出し方を或る程度推測することも可能でしょう。)

 

・地質・岩石なども抜けなく。

(例年、大問Ⅳは、地質、地球史などについての出題になっています。特に、地質図や地形図と問題に与えられた条件等から三次元的な地質構造の読解力を問う問題は頻出ですので、過去問などで良く練習しておきましょう。重要な岩石や示準・示相化石もしっかり押さえておくようにしましょう。)

 

 

他言無用の最終兵器

・地球と宇宙を、興味をもって理由を考えながら見る。

(全体的に、論述問題にしても計算問題にしても深い理解を要求するものが多く、例えば、天体の見え方とその理由、雲のでき方、大気や海流の循環などによる熱の輸送など気象に関することや、地震とプレート運動、アイソスタシー、ジオイド、重力異常など固体地球に関することなど、様々な事象についての十分な理解が問われます。問題集などで表面的な知識や公式を覚えるだけでは、なかなか対応できないと思われます。従って、それぞれ個別に学習するのではなく、興味を持ってあれこれ考えながら現象を見ていくことが大切で、それによって、各事象の関連なども見えてきて、系統的に整理して理解することも可能になるでしょう。実際に見たり体験したりできない事象については、動画や図録を活用しましょう。2022年度大問Ⅰなど。)