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東京大学へ行けば

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地学(宇宙)

時間:理科二科目で150分。従って、単純計算では地学としては75分です。大問は3つあり、そのうち、主に大問1が宇宙(天文)からの問題となっていますので、これを25分程度で解く計算になりますが、大問1だけでも10問程度の出題から構成されかなりボリュームがあるので、理科全体を見ながら解けそうな問題に時間を十分かけられるよう、適切に時間配分しましょう。

 

得点配分:理科二科目で120点。従って、地学全体で配点は60点の計算となります。大問は3つあり、そのうち、主に大問1が宇宙(天文)からの問題となっていますので、これは配点が20点の計算となります。(共通テスト:110点、二次試験:440点)

 

設問形式

・大問は、2つ~3つ程度の中問に分かれ、それらがまた3~6個程度の小問から成っています。問題の分量としてはかなり多いです。

・各小問は、計算問題、記述式、論述式、選択式に加え、簡単な図を描かせる問題など、様々な形式で出題されています。

 

傾向

・毎年大問1が、主に宇宙(天文)に関する問題です。

・出題は、天体からの放射エネルギー・明るさやガス放出量に関する問題、天体までの距離の計算などが多いようです。

・現象の理由を2~3行で説明させる論述問題が多く出題されています。また、計算問題の比率も大きく、地学の知識だけではなく物理や初等幾何学の力も問われます。

・極端にリード文が長い問題は出題されていないようですが、それぞれの小問が問題文の読解や、計算に時間を要する比較的高難度のものが並んでおり、時間的にはかなりきついと思われます。

 

 

方法

・図形と天体に関連する物理法則の復習を忘れずに。

(計算問題の中でも、特に、視差などの角度と距離との関係や、公転軌道などの楕円に関する計算などのように、初等幾何学に関する計算が重要となります。しっかり復習しておきましょう。また、ケプラーの法則による公転周期と距離の関係の考察や、光の放射強度の計算なども出題されていますので、これらのような天体に関連する物理法則はしっかり復習しておきましょう。)

 

・丸暗記ではなく、現象は何故そうなるのかを理解し、用語は視覚に結びつける。

(全体的にかなり難度は高く、殆どの問題は表面的な知識だけでは対処できないようです。質問の主旨を正しく読解し、現象を論理的に思考し、図や2~3行の文を使って適切に説明する力が要求されます。説明のポイントを押さえた簡単な絵を描くことに慣れておきましょう。教科書に載っている模式図やグラフなどを見ながら自分で書いてみたり、過去問を解いたりしながら、よく練習しておきましょう。用語は言葉だけでなく、なるべく図録の写真やWebで公開されている動画などを見ながら、視覚的に理解していくようにしましょう。)

 

・星をダイナミックに捉えましょう。

(星はただの石ころのような静的な塊ではなく、...星間ガスが集まって、重力で収縮して温度が上がって輝きだし、更に収縮が進んで内部が高温になり核融合反応が始まり、そのエネルギーによる膨張と重力による収縮が釣り合う太陽のような「主系列星」の状態がしばらく継続し、やがて中心部で核融合の原料となる水素が減少してくるとヘリウムの核の外側で核融合が起こる赤色巨星の状態となって膨張しながら温度が下がり、その後は、元の質量によって、白色矮星や中性子性、或いは、ブラックホールとなり、また、放出された残骸から新しい星が生まれる、というように、非常にダイナミックに変化するものです。時間軸は非常に異なりますが、生物の一生のようでもあります。星間雲や銀河、星間物質やHR図をより深く理解するためにも、星をダイナミックに捉えておきましょう。)

 

 

他言無用の最終兵器

・距離、明るさ、色の関係に注意。

(そもそも、物差しでもレーザー距離計でも測ることのできない星までの距離を、どのように測るか、不思議な気がしますね。近い星なら年周視差やレーダーエコー法から距離を出すこともできますが、遠い星の場合、ポイントとなるのは明るさと色です。主系列星の場合は、色と明るさ(絶対等級)からHR図に基づいて距離を測定することができますので、ここをしっかり押さえておきましょう。なお、更に遠い距離にある星の場合は、それらの方法で距離の分かった領域で距離の基準となる性質を持つ星(脈動変光星やⅠa型超新星など)を探し、その性質を持つ星を探すことでさらに遠くにある銀河や星までの距離を知ることができます。(ちなみに、このように色々な方法を、はしごをつないでいくように組み合わせながら遠い宇宙の距離を測る手法を「宇宙の距離はしご」と言うこともあります。))